2022/07/07
全国各地には、中古住宅のマーケットにものらない古民家が数多く眠っています。
しかし、それら古民家には、「0円でもよいので、譲り受けてほしい。壊さずに残したい」という所有者や関係者の強い想いが宿っています。
不動産的価値に反し、こうした古民家は、積み重ねられた時間とその土地の気候風土によってはぐくまれた貴重なもので、さらに古民家を取り巻く豊かな自然環境という、お金では買うことのできない価値をも備えています。
「0円古民家プロジェクト」は、大切な古民家を無償でも継いでほしいと願う人々と、移住、二つの生活拠点をもつライフスタイル、サテライトオフィスなどとして活用したいと考える人びとを結びつけるもので、地域を活性化し、人口減少や過疎化を食い止め、豊かな地域の未来を描こうとする試みです。
福岡県八女市の0円古民家をご紹介いたします。
「杣(そま)の里」と呼ばれ、美しい山並みが連なる福岡・八女の山間部。
小高い丘の一角に、明治時代の古民家が建っています。
高齢のご夫婦が住み継いでいたが、隣の市に住まわれている息子さんの元に
身を寄せることになりました。一家は、代々思い出が宿る家を、
たとえ柱一本でも残したいと願われました。
古民家の鑑定を実施したところ、
「経年の傷みや歪みはあるものの、柱・梁はしっかりと組まれており、
解体せずに改修して住むことも可能です。」という、判断でした。
空き家になってからも持ち主のご一家は、草刈りや風を通すために、
古民家に通い続けていらっしゃいます。
経年による傷みはあるが、そんなご家族の愛情を受けて、
古民家は、うれしそうな、誇らしげな表情を浮かべているように見えるということです。
自然豊かななこの地は、近年移住者も増えています。
農を楽しむ住まいに。サテライトオフィスとしても改修可能。
家族との幸せな時間を重ねてきた古民家は、
ここでしか見られない景色、送れない暮らしを望む人との
新たな出会いを心待ちにしています。
土間から見上げる小屋裏。
農家の住まいらしく、玄関先には広々とした土間。
建具は再利用。
(じゃぱとらより抜粋)
しっかりしている古民家を取り壊すことは、地域の里山の景観が
台無しになってしまい、もったいないと感じる方が増えてきています。
昔に戻るのではなく、伝統的な暮らしの知恵と良さを見直し、引き継ぐ。
多様性の時代、多様な生活文化を生み出すきっかけになるかもしれません。
日本の文化は生き物であり、その強みは多様性と言われています。
精神的に豊かな暮らしを感じることが大切なのかもしれません。
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