2016/04/22
今日は災害に対して今後どのようなことが必要なのかをお話しします。
地震列島の日本においては地震のない場所に暮らしたい…と誰もが考える事です。
しかしながら我が国の国土は海に囲まれ、多くの断層・プレートが存在する事を避けられません。
その中で安全安心な暮らしをしていくために、家族が暮らす住宅が地震に強い事が大切なのは当然ですが、それ以外にも取り組んで行かなければならない事があると思います。
その一つが緑豊かな我が国の自然を守り、共存していくことではないでしょうか。
実は住宅造りを通じて自然を守り共存していく入口になる催しが来月開かれます。
6月25日(土)・26日(日)。
ポートメッセなごやにて「住まいの耐震博覧会」
全国5か所にて開催される大規模な耐震イベントです。
今、皆様が住まいで一番気になっていらっしゃることは耐震のことでしょう。
ここでは耐震と木の家づくりについてわかりやすい展示や体験が出来るようになっています。
昨年のこのイベントには愛知県から委託を受けて地産地消を掲げるコスモが参加する「あいち里山の木の会」が愛知県の木を使った躯体構造を製作・展示を行いました。
その名も「あいち木づかいの家」。
三河地域の目が細かく詰んだ優良な杉材を適材適所に使用した、伝統的な木組みによる2階建ての躯体が多くの方に賞賛をいただき、ナイスディスプレー賞という大変名誉な賞までいただきました。
《昨年の木づかいの家》
なぜ、地元の木を使うのか…
愛知県の県土の約4割は森林です。その多くは戦後に植えられた人工林であることをご存じでしょうか。
全国的にもその割合は3番目に高く、愛知県の林業が盛んであった事を意味しています。
それらの木がまさに今、建築用材として利用出来る時期を迎えているにもかかわらず、一時期の外国からの輸入材に押されて地元の林業が衰退の危機にあります。
これは何を意味するかといいますと、人工林は手入れが必要であるのに、現在多くの山では手入れが行き届かず、山が荒れた状態あります。
間伐の進まない荒れた山では木が密集して育たず、地面まで日の光が届かないために下草が生えません。
これによって土壌が失われ、その先に土砂崩れやCO2吸収量の低下、病中害などが発生しやすくなります。
裏返して考えてみれば山で働く人が増えれば雇用増進となり、森が健全であれば多くのCO2を吸収して地球温暖化を抑制します。
また、間伐によって健全に育った木々は土壌に深く根をはり、下草や落ち葉が大雨などによる土砂の流出を抑えてくれます。
森が元気であれば、そこに住む生物たちの生物多様性を守ることにもつながります。
地震に限らず最近の災害では、広島で起きた局地的な短時間大雨を思い出します。
住宅地背後の山が崩れ、大規模な土石流が発生したこの災害は自然災害ではなく地盤の改良を侮り、自然との共存をおろそかにしてきた人的災害と言わざるを得ないと思います。
予測をはるかに超える短時間豪雨も地球温暖化を危惧した自然からの警告でしょう。
愛知県の木を使う事も私たちの暮らしを豊かにする事につながります。
6月の耐震博覧会では、今年もあいち里山の木の会が愛知県から委託されて地元の木材で躯体構造を展示致します。
それに伴い、多くの方々に耐震・丈夫な愛知の木を使った躯体構造を見ていただく機会を設けました。
6月25日(土)にコスモから大型バスにで耐震博覧会からコスモの新築完成した家をご覧いただくコースです。是非多くの方にご参加いただきたいと思います。
今、私が出来る事…
地元愛知の木は曲げ強度や引張強度、弾性率に優れた素材で、特に引張強度についてはコンクリート等に比べると強靭な材料なのです。
私に出来る事は愛知の杉や桧を使い、地震に強い躯体構造の家を提供することに他ならないと思っています。
完成後には見えない躯体だからこそ材に気を使い、どこに出しても胸を張れる材寸の大きい木材を用いるようにしています。
また、必要に応じて制震・耐震装置を取り付け、建物の骨組みを強化することも必須と考えています。
次回は当社が行う制震・耐震についてお話ししたいと思います。
コスモ 社長 鈴木一三
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株式会社コスモ
愛知県豊明市栄町内山67番地42 水曜定休
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