2024/04/26
「自分はどんな老後を過ごすのだろう?」
自分の親や周囲の高齢者を見ていると、ふと考えてしまいませんか?
誰と、どこで、何をして、何を楽しんで、そして「どんな家に住んでいるのか」です。
家は毎日帰って来るところ。家づくりではたくさんの希望や不安が出てくると思います。
今回は「自分たちが老後を迎えてもなお、快適に過ごせる2階建ての住まい」についての記事です。
この記事のポイント
「持ち家を建てる」と考えたとき、わくわくしますよね。
あんな外観で、こんな内装で、とイメージは尽きません。
しかし、ふと「これから先」のことを考えたとき、希望の中に現実的な問題を見出す人も多いのではないでしょうか。
「老後」は自分たちがまだ経験していない時間。
自分の親や周辺の高齢者を見ていると「心配」「危ない」と感じることも多く、つい「引き算」で考えてしまうかもしれません。
自分や家族、またその子どもたちがこれからどうなっていくのかは誰にもわからないこと。
しかし、だからこそ「あれもできる、これもできる!」と思えるような「足し算」で家について考えてみませんか。
コロナ禍以降、さまざまな働き方が増えました。
リモートワークが根付いた会社も多く、中心部から少し離れたところでも生活ができるようになった、という人も多いですよね。
また、多様性の時代でもある現在はたくさんの家族の形があります。
たとえ戸籍上の家族でなくても、同じ家で生活を続けていきたいというスタイルも増えてきました。
そこで考えたいのが、老後だけでなくやはり「今」です。
そもそも「老後」をいつからと定義するのかも人それぞれ。
そこで、以下では、年齢が進み体力が落ちても「できることがたくさんある家」にするための間取りをご提案します。
まず「バリアフリー(段差がない空間)」は、高齢者だけが快適なものではありません。
ハイハイをする赤ちゃんや家中を走り回る元気な子どもたち、大きな荷物を持った大人、家族に寄り添ってくれるペット、などどんな人にもやさしい造り。それがバリアフリーです。
これから家を建てるのであれば、毎日生活をする家族や招いたお客様が少しでも安全に過ごせるよう、最初からバリアフリーを視野に入れると良いかもしれません。
始めからバリアフリーの家にしておくことで、リフォームの必要性が減ります。
何より「自分が年老いたためにリフォームが必要になってしまった」と考えるストレスがなくなるのは大きなメリットです。
スライドドア(引き戸)は、少ない力で開け閉めができます。
体力が落ちた高齢者はもちろん、小さな子どもでも楽に出入りができる点が大きなメリットです。
洋風の家を好む人にとっては「洋式の家に引き戸?」と少し疑問に思うかもしれません。
しかし、最近の家づくりでは洋風の家の中にスライドドアを設けて、モダンにすることもかなり増えています。
スライドドアの上部をガラスにして視界を良くしたり、下部に通気口を設けたり、工夫次第で誰にとっても開け閉めが簡単なおしゃれドアが誕生します。
「1階は水回りとリビング、2階は子ども部屋と寝室で…」と、考える人は多いでしょう。
確かに、昔から日本で用いられ続けている1階の間取りには使い勝手の良さを感じますよね。
しかし、これから建てる家では既成概念よりも「実用性」に注目です。
老後を迎えたとき、まず感じるのは「体の衰え」という高齢者は多いようです。
これまで上がれていた階段が急に上がれなくなる、ということも珍しくありません。
そこで、あらかじめ「1階にも居室を作っておく」という方法はおすすめです。
老後を迎えるまでは、子ども部屋や客間として使い、その時が来たら自分たちの部屋にする。
簡単な模様替えと家具や寝具の配置替えだけで、自分たちの年齢に合った生活ができると気持ちも楽ですよね。
収納は「広くて深い方が物がたくさん入る」のは事実。
しかし、使いやすさは別です。
若いうちは便利に感じている広く奥深い収納でも、高齢者には使いにくいことが少なくありません。
奥まで手が届かない、広すぎて物を詰め込んでしまい目的の物が見つけられない、ということも。
また、棚や天袋を利用した収納も同様です。
脚立などを使わなければ中の物が出し入れできないようでは、老後の生活に支障が出てしまいます。
収納は「入れっぱなし」になりやすいもの。年齢を重ね、体力が落ちてくると余計にそうなりやすいようです。
出し入れしやすい収納が複数あれば、いつでも目的の物を見つけやすくなりますし、定期的な断捨離もはかどります。
緑や色彩豊かな花、木陰を作ってくれる大きな木…どれも本当に素敵ですよね。
毎日目にする庭からは、季節の景色や癒しをもらえます。
しかし、庭の手入れは重労働です。
雑草を抜いたり、季節によっては台風などに備えて木の枝を短くしておく必要も。
さらには、抜いたり切ったりした草や木の処分にも体力やお金を使います。
「手入れが大変だから庭は無し」とする方も多いようですが、手入れが大変でないのであれば欲しい、という方はぜひ検討してみましょう。
最近は人工芝でも水はけが良いものや、天然芝と変わらないくらいやわらかいものも販売されています。
まだ子供が小さい家庭はもちろん、老後にお孫さんが遊びに来ることや、ペットと生活をすることも考えてみるとイメージがしやすくなります。
高いところに位置した窓は外観の見映えが良く、天気の良い日や月がきれいな夜は見て楽しめます。
もちろん、開けて外からの日差しや空気を取り込む場合にも役立ちますよね。
しかし、高いところは高齢になると手入れが難しくなるのが現実。
脚立に乗って窓を拭く、というのは若い人でも安全とは言えません。
窓は室内と室外を隔てる重要な設備です。
いつもきれいに保っておくことで見た目はもちろんですが、防犯やカビ対策としても使えます。
足元の窓は空気の通り道として使えますし、湿気がこもりやすい部屋ではカビ予防としてもおすすめです。
若いうちは何かと煩わしく感じることも多い「周辺住宅との関係」ですが、老後は何かと便利なことも多いようです。
年齢を重ねると、何事も若い頃のようにはいかず、なにかと不安を抱えやすくなります。
もしものときのことを考えて、緊急時に頼れる環境に家を建てておくと安心要素のひとつになるかもしれません。
地域によっては、自治会があってもほとんど機能していなかったり、反対に地域活動に参加しなければならないなど、違いがあります。
周辺に自分たち家族と似た環境の家が多ければ、一緒に年齢を重ねていくことになるため、将来助け合える可能性も。
また、働き盛りのうちは不参加でも問題ない地域活動であれば、老後になって友達作りの一環で参加する、ということもできそうです。
ここからは、老後を過ごす家としても安心な要素が詰まったお宅を写真でご紹介します。
どのお宅もこだわりを貫いているところが大きなポイント。
ぜひ参考にしてください。
青空に映える、すっきりとした佇まいのこちらのお宅、平屋に見えますが実は2階建てです。
片流れ屋根の勾配が反対方向を向いたおしゃれな外観は、家全体のどっしりとした安定感にも一役買っています。
壁面の小さな正方形の窓や、庭の目隠しとなっているウッドの格子も素敵です。
玄関はとても上品な引き戸。
土間のグレーと明るい木目のコントラストがモダンな印象を演出しています。
子どもや高齢者だけでなく、大きな荷物を持っているときでも開閉しやすいスライド式のドアは便利ですね。
階段裏のスペースを上手く利用したベッドルームが特徴的な間取りです。
2階の子ども部屋は、子どもが独立した後も客間として使えそう。
フリースペースは、趣味や仕事にも使えます。もちろん、収納としても使い勝手が良いでしょう。
空間のあちこちに収納があるお宅です。
壁面の棚は横広で奥行きが浅いため、普段使うものを収納するのに役立ちそうですね。
思い出の品を飾ったり、実用的なものを収納したり、用途に合わせた収納が選べる機能的な空間です。
こちらはロフト。小さな窓から差し込む日差しがとてもきれいです。
ロフトは部屋としても使えますが、収納としても使い勝手が良いと人気の間取り。
季節家電の収納や、捨てられない思い出の品を大切に保管する場所としてもおすすめです。
とっても明るいリビングダイニングには、畳の部屋が併設されています。
子どもが小さなうちはプレイルーム、お客様が来たときの客室や老後の寝室としても十分使えます。
冬場はコタツとテレビを置いて、家族団らんを楽しむスペースとしても良さそうです。
「一度はこんな家に住んでみたい!」と誰もが思うような、とってもすてきなお宅です。
ウッドデッキのバルコニーは広々としていて開放的。
お茶を飲んだりおしゃべりや読書を楽しむ空間としても使えます。
今も老後も快適で住みやすい、そんな工夫がたくさんの家です。
子どもが巣立った後のことや、リモートワークや在宅で仕事をするときの配慮も行き届いています。
実用的なだけでなく、どこもかしこもとにかくおしゃれ!素敵なお宅です。
さらには、こちらのエアコンが大活躍。
こちらのお宅は省エネ構造で、このエアコン1台で家中の空調を行っています。
格子状になった目隠しでエアコン本体が見えないところもさりげなく工夫されていて素敵です。
今回は「老後も快適に過ごせる2階建て住宅の間取り」についての記事でした。
「こんな間取りにする方法があったのか」「こういう家に住みたい」など、理想の家の参考にしていただけるととてもうれしいです。
老後はなにかとネガティブに考えてしまいがちかもしれませんが、昔に比べて元気な高齢者の方も増えています。
「高齢になるから」と引き算で考えるよりも、「高齢になっても」と足し算で考えると、自分たちの想う「理想の家」に近づけるのかもしれません。
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