2024/08/30
「古民家再生にはどれくらい費用が掛かるのだろう?」
「古民家のリフォームをできるだけ安く済ませたい」
古民家の再生を考えたときに費用への不安を持っている方や、安く済ませたいと考えている方は多いでしょう。
古民家の再生は新築や普通のリフォームと違い、費用が想像しにくいものです。この記事では、古民家再生に掛かる費用相場を紹介するとともに、関連する補助金制度の内容や条件を詳しく解説します。
古民家再生を検討している方は、少しでも費用を抑えるためにぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
目次
古民家のリフォーム費用は、古民家の状態によるので一概には言えませんが、全体的にリフォームを施した場合、相場で「1,000万円から2,000万円程度」です。
リフォームの内訳の相場は以下の通りです。
耐震 | 100万円~200万円 |
断熱 | 300万円~400万円 |
水回り |
キッチン:50万円~150万円 風呂:50万円~150万円 トイレ:20~70万円前後 |
屋根 | 塗装のみ:50万円前後
葺替え込み:200万円前後 |
外壁 | 塗装・補修のみ:50万円前後
全張り替え:300万円前後 |
水回り・屋根・外壁は、古民家の中でも損傷が出やすい部分です。特に水回りの場合、古民家では古い型が使われていることがほとんどなので、トイレが和式だったり、キッチンではお湯が出なかったりすることも少なくありません。
また、外壁や屋根も古ければ雨漏りをする可能性が高いため、リフォーム時には改修が必須項目と言えます。耐震や断熱工事は必須ではありませんが、安全性や過ごしやすさを高めるためには視野にいれておきましょう。
他にも、手すり設置や段差解消をしてバリアフリー性能を高めたり、太陽光パネルで省エネ化をする費用も必要であれば別途かかるでしょう。
リフォームと言えば安く済みそうですが、フルリフォームが必要なことも多いため、古民家の再生には新築購入と同じくらいの費用がかかることもあります。
しかし、古民家の再生には国や自治体からの補助金を使えることも多く、うまく活用すれば費用の節約が可能です。ここからは、古民家再生に使える各補助金の制度と利用条件についてご紹介します。
築50年以上の住宅を古民家と定義しているため、全ての古民家は新耐震基準(1981年以降)には準拠していないことになります。そのため、比較的丈夫な木を使用している古民家とはいえ、耐震性には心配があるでしょう。
耐震補強工事については、各自治体で制度が異なっており、お住まいの自治体への確認が必須です。
例えば、静岡県静岡市の「木造住宅耐震事業」では、対象の住宅に対して最大100万円の補助金を実施しています。対象となる住宅は以下の通りです。
・昭和56年(1981年)5月31日以前に建築されたもの又は同日において建築中であった木造住宅
・静岡県耐震診断補強相談士が「木造住宅の耐震診断と補強方法(2012年度改訂版)(財)日本建築防災協会発行」による一般診断法、または精密診断法に基づいて行う補強計画であること
・わが家の専門家診断又は耐震診断で、耐震評点が1.0未満のものを0.3以上上げ1.0以上にする補強工事
自治体により対象となる住宅の条件は多少異なりますが、耐震補強リフォームの補助金の相場は100万円前後です。補助金の申請を工事に入る前と設定している自治体が多いので、着工までには事前に各自治体へ詳細を確認しておきましょう。
省エネ・断熱リフォームに関しては、以下の補助金制度が実施されています。
断熱材・窓といった建材の中でも、高性能な住宅の建材を使用したリフォームに対する補助金制度です。
住宅全体の断熱改修をする「トータル断熱」と、居間を中心に断熱改修をする「居間だけ断熱」の2部門に分かれています。補助される費用は、補助対象となる工事や設備費用の3分の1です。
なお、こちらの補助金制度は、補助対象が重複する国の他の補助制度との併用はできませんが、地方自治体が運営している補助制度は、国費が充当されているものを除けば併用ができます。
省エネ改修の促進を期待できる工期を短縮可能な高性能断熱材や、快適性向上にも資する蓄熱・調湿建材などの省エネ建材への補助金制度です。
住宅の外壁を改修する「外張り断熱」、断熱パネルなどを内側から導入する「内張り断熱」、窓や玄関ドアなどを改修する「窓断熱」の3つの部門に分けられています。
それぞれ補助の上限額は150万円~400万円と幅がありますが、補助の対象額はどれも経費の2分の1です。他の補助金との併用については、工事に重複部分がない・完全に区分けしている・工事請負契約も工期も別である場合においてできます。地方自治体の国費が充当されていない補助制度とも併用が可能です。
エコホーム支援事業者と契約した上で、対象となるリフォーム工事をする場合にリフォーム箇所に応じて補助金を受けられる制度です。
開口部・外壁・屋根・天井・床への断熱改修や、エコ住宅設備の設置が対象となります。
「子育て」と名が付いていますが、どの世帯でも最大20万円の補助が受けられ、子育て世帯や若年夫婦世帯の場合は補助の上限が60万円まで引き上げられます。補助金制度の併用に関しては、対象となるリフォーム工事に対して、重複して国の他の補助制度を受けることはできません。地方自治体の補助制度については、国費が充当されていなければ併用が可能です。
事業の登録事業者である「窓リノベ事業者」と契約した上で、窓の交換(断熱改修)リフォームを行う際に補助を受けられる制度です。
また、窓の交換と同一契約内で同時にドアの交換(断熱改修)も行えば、補助対象となります。補助の上限額は、1戸あたり200万円。対象製品の性能とサイズによって補助額が決定されます。
なお、同一の窓ガラスやドアに対して、重複して国の他の補助制度を受けることはできません。地方自治体の補助制度とは、国費が充当されていなければ併用が可能です。
古民家再生で同時に住宅のバリアフリー化を行った場合、補助金を受けられることがあります。
古民家には玄関部分など段差が多い側面もあるため、老後まで長く暮らすためにバリアフリー化も視野に入れておきましょう。
高齢者住宅改修費用助成制度
要支援または要介護1~5に認定された人が同居する場合に、改修費用が補助される制度です。この制度の上限額は20万円ですが、9割までの支給なので上限は18万円となります。対象の工事は細かく設定されていますが、手すりの取付け・洋式トイレへ変更・出入り口を拡張などが当てはまります。
高齢者住宅改修費用助成制度の他にも、独自に介護助成金制度を実施している自治体も多いです。高齢者に対しての住宅改修費に関しては、複数の制度を併用できる場合が多いので高齢者と同居する予定がある方は事前に確認しておきましょう。
古民家再生に関しては、独自の補助金制度を行っている自治体も多いため、必ずお住まいの地域の補助金制度を一度確認しておきましょう。特に古民家が多い地域の自治体では、再生事業にも力を入れており支援される額も期待できます。
兵庫県播磨町:播磨町空き家活用支援事業補助金
空き家を活用するための機能回復や設備改善の改修工事に対して最大255万円の補助金を支援する制度
大阪府枚方市:枚方市若者世代空き家活用補助制度
空き家を活用して枚方市に定住する若者世帯や子育て世帯に対して、リフォーム工事費用を最大100万円支援する制度
このように、古民家は地域によって特性や環境も違うため、自治体が各自で支援を打ち出している場合もあります。詳しい補助金制度については、県や市のホームページや相談窓口まで問い合わせましょう。
古民家再生に関しては、補助金制度だけでなく減税制度を活用しても費用を抑えられます。ここからは、古民家再生に関係する可能性がある減税制度についてご紹介します。
現行の耐震基準に満たない住宅を耐震基準を満たす住宅にリフォームした際に適応できるのが「住宅耐震改修特別控除」です。耐震改修工事にかかる費用の一部を所得税から控除できます。
・対象住宅:昭和56年5月31日以前に建築された住宅
・控除対象額:250万円まで
・控除率:工事費用の10%
・期間:工事完了後1年間
実際に適応される控除額は計算式によって求められますが、さまざまな条件も加わるため詳しくは国税庁ホームページをご覧ください。
「耐震改修工事をした場合(住宅耐震改修特別控除)」(国税庁)
住宅を省エネ化するために改修を行った場合、「住宅特定改修特別税額控除」が適応できる可能性があります。断熱材の導入・窓の複層ガラス化・太陽光発電システムの設置など、住宅の省エネ化を行うことで所得税の控除を受けられる制度です。
・対象住宅:所有している居住用の住宅
・控除対象額:250万円まで(太陽光発電設置設備を含む場合は350万円)
・控除率:工事費用の10%
・条件:工事費用50万円以上
・期間:工事完了後1年間
また、省エネ化への減税制度なので、改修後の住宅が省エネ性能基準を満たすことが要件となっています。詳しい条件や減税額については、国税庁ホームページをご覧ください。
「省エネ改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」(国税庁)
住宅のバリアフリー化を行った際に適応できるのが「住宅特定改修特別税額控除」です。バリアフリー化にかかった費用の一部を所得税から控除でき、具体的には介護が必要な高齢者や障害者が住む住宅の段差解消、手すりの設置、浴室やトイレの改修など、住みやすくするための改修工事が対象となります。
・対象住宅:所有している住宅
・控除対象額:200万円まで
・控除率:工事費用の10%
・条件:工事費用50万円以上
・期間:工事完了後1年間
この制度はバリアフリー化を主としていますが、高齢者や障害者が居住することが要件となっています。詳しい減税の算出方法や申請方法については、国税庁ホームページを確認しましょう。
「バリアフリー化改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」(国税庁)
古民家は、敷地や家屋自体が広いことが多いので多世帯で同居することもあるでしょう。そんな多世帯で住むための改修についても、同居するための改修工事に対して、税額控除を受けられる「住宅特定改修特別税額控除」という制度が適用できます。
具体的には、リノベーションでキッチンや浴室を増設する、玄関を二つに分けるなど、異なる世帯が快適に暮らせるような工事が対象となります。
・対象住宅:所有している住宅
・控除対象額:250万円まで
・控除率:工事費用の10%
・条件:工事費用50万円以上
・期間:工事完了後1年間
同居のための設備の増設を要件としているので、古民家再生から利用することは難しいかもしれませんが、同居の可能性がある方は詳しい内容をチェックしておきましょう。
「多世帯同居改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」(国税庁)
古民家は既にかなりの築年数が経過しているため、耐久性を向上させる工事を行うことも多いでしょう。
その場合に適応できるのが、古民家の耐久性を高めるための改修工事に対する「住宅特定改修特別税額控除」です。
具体的には、屋根の葺き替え、外壁の修繕、基礎・地盤の劣化対策など建物の構造を強化し、長期にわたって安心して住み続けるための工事を指します。
・対象住宅:所有している居住用の住宅
・控除対象額:250万円まで
・控除率:工事費用の10%
・条件:工事費用50万円以上
・期間:工事完了後1年間
住宅の耐久性が向上すれば長期に渡って快適な家となりますが、控除を受けるためには長期優良住宅の認定を受ける必要があるので注意が必要です。
詳しい申請方法や控除内容については、国税庁ホームページをご覧ください。
「耐久性向上改修工事をした場合(住宅特定改修特別税額控除)」(国税庁)
住宅ローン減税とは、年末時点での借入れ残高に対して所得税から0.7%の控除を10年間に渡って受けられる制度です。
住宅ローンを組むのは新築住宅のイメージが強いですが、古民家の購入で住宅ローンを組む場合もあるでしょう。もちろん住宅ローンを組めば、住宅ローン減税を受けられる可能性があります。
ただ、住宅ローンは新耐震基準を要件にしていることがほとんどのため、古民家だとローン自体が通らないこともありえます。借入金額に対して住宅の資産価値が低いと、ローンを組めない場合もあるので注意しましょう。
こちらは、築80年の古民家をリノベーションした事例です。
地震補強工事を含めて大規模な改修を行いました。柱や梁はそのまま活かしているのでお施主様の思い出はそのままに、現代的な雰囲気が加わった落ち着いた空間に仕上がっています。
愛知県産の杉とヒノキをふんだんに使用し、家全体から木の温かみを感じられるどこか懐かしい住まいです。
古民家再生は、古民家の状態によるので費用面が想像しにくく、どうしても現代風に住みやすくしようとすると費用が大きくかかります。
しかし、補助金制度や減税制度を積極的に活用すれば、費用を大きく抑えられるのでお住まいの自治体の制度をさらに調べてみてはいかがでしょうか。
愛知県にある「株式会社コスモ」では、古民家再生に関する相談を積極的に受け付けております。
費用面で不安がございましたら、軽いご相談からでも受け付けておりますので、ぜひお話をお聞かせください。
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