2024/08/29
「古民家にしたいけど、どうリノベーションしたらいいか分からない。」
「リノベーションしたら、古民家の良さが消えてしまわないかな?」
古民家に良さを感じている方なら、リノベーションに対して不安もあるでしょう。
確かに、古民家は日本の古き良き伝統を感じさせる一方で、リノベーションするには現代の生活に合わせた間取りへの工夫が必要です。今回は、そんな古民家の魅力を最大限に活かしながら、快適に暮らすための間取りのコツを事例とともにご紹介します。
実際の施工事例もご紹介しますので、古民家のリノベーションを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
目次
リノベーション前の古民家の間取りには、いくつか特徴があります。
古民家の良さを活かすには、もともとの古民家が持つ間取りの特徴を知っておきましょう。
日本の農村地帯など古い家屋でよく見られるのが、土間部分と居室部分の2つの空間から作られている「田の字型」の間取りです。
居室部分の和室が襖や障子で「田の字」のように4つに隔てられていることから、このように呼ばれています。家に人が多く集まるときには、襖を外して大広間のように使用できるのが特徴です。
もともと昔の住宅の設計では、中央に等間隔で柱を設けられることが多かったため、田の字に区切られる間取りが一般的だったようです。
現代の住宅は、ドア・壁・廊下などで部屋を区切るのが一般的ですが、昔の住宅では襖や障子で部屋を区切るのが主流でした。そのため、部屋と部屋の間には廊下や隔てる壁がなく、広縁や部屋が廊下代わりに使われていました。
襖を外せば大広間として使えるので、人数に合わせて間取りを変えられる造りは、人を家に招いて冠婚葬祭などを行っていた昔のライフスタイルならではと言えます。
古民家には、居室と屋外の間の部分に設けられた「縁側」があるのが特徴です。4尺(120cm)以上奥行きがあるものは「広縁」とも呼ばれます。
縁側は、主に部屋を行き来するための通路として使われますが、日向ぼっこやお茶をするイメージがある方も多いでしょう。
庭など屋外から直接家の中に入ったり、周りの風景を楽しんだりできるので、古民家の良さを感じる場所でもあります。
古民家を代表する特徴として、土間スペースが広いことが挙げられます。
土間とは、屋外の地面続きと同じ高さに作られた土足で歩けるスペースこと。現在はシューズクローゼットとして玄関が広めに作られることも多いですが、昔は炊事場や作業場として利用されていました。
土間の床材は、土そのまま・漆喰塗り・砂利敷きなど、さまざま。最近では、コンクリート固めやタイル張りなどおしゃれなデザインもあります。
古民家でたまに見られるのが、水回りと母屋が離れて別の建物にある間取りです。
古民家が建てられた当初は、上水・下水道の整備がされておらず、衛生面を考慮してトイレは離れた場所にあることがほとんど。また、水漏れや湿気が原因で木材が劣化するのと、火災を防ぐためにお風呂も離れた場所に造られていました。
水回りは劣化しやすいので、古民家リノベーションの際には特に力を入れたい部分です。
古民家は現在の住宅にはない良さがありますが、昔のライフスタイルに合わせた特徴的な間取りをしているので、暮らしやすくするには少しコツが必要です。
現在の人が暮らしやすい家にするために意識すべきポイントについてご紹介します。
古民家は、襖や障子で部屋を区切っているため、部屋と部屋を繋ぐ戸を開けてしまえばプライベートな空間はほとんどありません。プライベート確保のためにも古民家をリノベーションする上で、適度に壁や廊下を取り入れてプライベートな空間を作っていくことが大切です。
たとえば、田の字型の2部屋でリビング・ダイニングを設けて、残り2部屋には壁とドアを設けてプライベートな寝室や居室にするのも良いでしょう。
家族構成やライフスタイルにもよりますが、現在は家族間でもプライベートを重視する声は多いです。
水回りが母屋から離れている間取りは古民家の特徴でもありますが、一日を送っていく中で外に出なくても生活が完結する間取りにしましょう。
お風呂やトイレなどに行くために一旦外に出なくてはいけないのは、最初のうちは趣を感じても、後に意外と億劫に感じやすくなります。雨が降っている日や冬の寒い日なら、なおさらでしょう。
水回りをそのまま使用するなら途中を廊下で繋いだり、使用しないなら別に水回りを用意する必要があります。水回りはリノベーションでも費用がかかりやすい部分ですが、暮らしやすさには代えられません。
広い土間スペースは、風通しが良く、特に古民家の良さを感じる部分でもあります。リノベーションの際には、広い土間を潰さずに活かす方向にしましょう。
たとえば、土間スペースをモルタル打ちで作業場にしたり、オープンさを活かしてギャラリーにしたりという方向性もおすすめです。土間の広さはアレンジ次第で古民家の魅力を活かしつつ、現代の生活に合った空間を作り出せます。
リノベーションの際には、老後でも暮らしやすい設計を考慮に入れておきましょう。
居室部分にあまり段差はありませんが、玄関など特に古民家には大きな段差がいくつかあります。老後でも使いやすいようにバリアフリー化は必要です。
大きな段差は小さく工夫したり、スロープを設けたりなど、どの世代でも使いやすい造りにしましょう。
また、古民家は平屋が多いため動線への工夫も求められます。水回りを一箇所にまとめて移動距離を少なくしたり、トイレを寝室付近に増やせば、老後も安心できるでしょう。
こちらの間取りは、もともと旧家にあった広い土間と囲炉裏をそのまま活用した間取り実例です。
お風呂・キッチン・トイレを土間付近の動線上に集めることで、生活の一連の作業をコンパクトに。そば打ち台も土間スペースに確保し、広い土間を趣味用に活用されています。
また、どの居室にも隣接して濡れ縁(室外にある縁側)が設けられているので、ちょっと外に出てお茶をしたり日向ぼっこにも良さそうです。家族や友人が自然と集まって語らいそうな住まいに仕上がっています。
実際に施工した古民家のビフォーアフターをご紹介します。
こちらの住まいは、海に面した築100年の古民家をフルリノベーションした事例です。床には無垢材を採用し、あえて剥き出しの梁や、もともと使われていた帯戸と合わさって旅館のような雰囲気に仕上がっています。
外観も窓や玄関の位置で面影を残しつつも、洗練された和風モダンに一新しています。家を囲んでいた木々も伐採し、海も堪能できる魅力的な住まいです。
先祖代々受け継いでいた築130年の茅葺き屋根の古民家をリノベーションした事例です。同時に耐震性も強化しました。
明るい床材や照明で現代風にアレンジされつつも、日本の古き良きを感じる厳かな雰囲気の空間に仕上がっています。
外観は、茅葺きの特徴である大きな屋根のイメージはそのままに、現代で使いやすい造りに。2階建てへ変更して、高さの活用もできました。
住む人もなく、海辺で潮風に侵され朽ち果てようとしていた古民家をリノベーションした事例です。TV番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」の匠と当社コスモの協働により完成しました。
内側に庭を囲むように広めの縁側と、一部にはウッドデッキが設けられており、室内外を存分に楽しめる造りに仕上がっています。
同時に耐震補強も行われ、もともとの柱を活かしつつも、気品を感じる空間に。庭でBBQやプール遊び、縁側で日向ぼっこやお茶をするのが楽しみになりそうな家です。
古民家の間取りには、特徴的な部分が意外とたくさんあります。
古民家リノベーションでは、現代の住む人に合わせた造りを少し取り入れることで、古民家の良さを活かした快適な住まいは実現可能です。
古民家の持つ特徴と歴史や風情を理解しつつ、リノベーションの間取りや理想の暮らしを考えてみてください。
愛知県豊明市にある「株式会社コスモ」では、古民家のリノベーションを積極的に受け付けています。
良さを活かした豊富なリノベーション実績もありますので、古民家の再生や間取りでお困りの方は以下のリンクからぜひご相談ください。
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愛知県豊明市にある「株式会社コスモ」は、愛知県奥三河で育った木材を厳選し、他では見ることのできないこだわりの木の家を建てています。
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コスモでは、お客様のご希望に丁寧に耳を傾け設計し、素材を知り使い方を熟知した職人が丁寧に施工、アフターケアまで力を入れております。
自然素材をたっぷり使った住まいで、ご家族がいつまでも長く健康で心地よく暮らせる家づくりをします。
日本の伝統的な建築工法を継承しているコスモでは、お客様の思い出を形に「古民家再生」プランもご提案しております。
住まいにまつわる困りごとがありましたら、お気軽にご連絡ください。
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