2024/03/28
平屋はワンフロアに居住空間をつくる間取りのため、住みやすく快適な生活ができる家です。
どんなポイントを抑えれば、より暮らしやすい平屋の住宅になるのでしょうか。
この記事では、住みやすくおしゃれな平屋の間取りのアイデアやポイント、回遊性のある暮らしやすい施工事例もご紹介します。
この記事のポイント
目次
平屋は1階部分にすべての居住空間と生活設備を整えられるので、バリアフリー性があり安全で暮らしやすいと人気があります。
でも、ワンフロアで生活する間取りをつくるのは難しいのではないかと心配になる人もいるでしょう。
今回は、平屋のメリット、デメリットを解説しながら、特徴や住みやすく快適にする間取りのポイントもご紹介します。
平屋は、すべての居住空間を同じフロアにつくるため、コンパクトで移動をしやすいなど多くのメリットがあります。
一方、デメリットもあり、プランニングの段階で対策を考えておく必要があります。
ここからは、平屋のメリット、デメリットを詳しく見ていきましょう。
平屋は、比較的間取りの自由が高く、デザイン性に富んだ家づくりが可能です。
平屋は、高齢者にも配慮でき、機能性や利便性があります。
平屋のメリット |
・コンパクトな空間で、シンプルで無駄のない生活を送れる
・勾配天井の吹き抜けや天窓などを活かして、日当たりと風通しのよい開放的な空間をつくることができる ・バリアフリー性があるので、小さなお子様や高齢者の方にも負担がない ・階段の昇り降りがないので行き来しやすい ・生活動線をスムーズにできる ・地震や台風に強い ・家族との程よい距離が保てる ・間取りの自由度が高いので、自分にとって住みやすい家づくりができる ・モダンなデザインを楽しめる |
平屋はたくさんのメリットがあるものの、費用や構造に関するデメリットがあります。
でも、事前にデメリットを知っておけば、情報収集したり、設計前に施工会社に相談したりとさまざまな対策が可能です。
平屋のデメリット |
・周りの建物の環境によって、日光が当たりにくい
・1階部分に居住空間があるので、プライバシーが確保しにくい ・2階建て住宅に比べ、収納スペースが少ない ・土地の坪数が必要 ・風通しが悪くなる可能性がある ・建築費用や土地の価格が高い ・床下浸水の対策をする必要がある |
平屋には、多くのメリットがあり、平屋ならではの間取りのポイントを抑えることでより暮らしやすい住宅に仕上がります。
ここからは、住みやすい平屋の間取りのポイントを解説していきます。
回遊性のある動線をつくることで、住みやすい平屋の間取りになります。
家事をスムーズにするために、キッチン、ダイニング、水回りを回遊できる動線が便利です。
最近、リモートワークに切り替えたご家庭は、LDKからワークスペースへスムーズに移動できる回遊動線もあります。
洗濯をしてから、洗濯物を干してクローゼットに片付けるという流れをつくる動線もおすすめです。
回遊性のある動線は、家事の効率がよくストレスもたまりにくい家になるはずです。動線のプランが立ったら、間取り図を見ながらシミュレーションしてみましょう。
リビングは、家族が集まる場所であり、居心地よく過ごせるように設計するとよいでしょう。
縦の空間を広くする吹き抜けや屋外の景色を楽しめる大きな窓を設置することで、広々とした開放的な空間をつくれます。
吹き抜けの高い位置に窓を設ければ、自然光がたっぷりリビングに入り、明るく気持ちの良いスペースに。
窓の配置やデザイン性にこだわることで、さらに快適なリビングに仕上がります。
平屋は2階建ての注文住宅に比べ収納スペースが少ないですが、間取りを工夫すれば十分な収納を確保可能です。
たとえば、小屋裏収納やロフトをつくれば、使用頻度の少ない荷物を片付けられます。
キッチンにパントリーをつくれば、大容量の収納ができ便利です。ファミリークローゼットもおすすめ。
家族分の衣類や日常で使う荷物を収納しておけば、洗濯物は分ける必要がなく片付けられ、帰宅後もコートなどをさっとしまえます。平屋は、収納を工夫すれば生活動線がスムーズになるのです。
平屋は、コンパクトな空間設計ができるので家族のコミュニケーションをとりやすい反面、一人の時間をとりにくく感じるというケースがあります。
個室や寝室をつくりプライベート空間をしっかり確保しましょう。プライベートな空間があることで、家族と程よく距離感が保てるのです。
平屋にウッドデッキやテラスを取り入れることで、よりデザインにこだわり楽しめる家づくりができます。
ウッドデッキやテラスは、洗濯物を干すことや子供の遊び場、ガーデニングなどの趣味を楽しむ場所に利用可能です。
リビングに大きな掃き出し窓を配置し、室内からウッドデッキへつながる床をフラットにすることで奥行きがあるようにも見えます。
リビングが明るく開放感のある空間に仕上がるはずです。
平屋は居住空間がワンフロアに集中しているので、道路に面した住宅だと外からの視線が気になることがあります。
そのため、プライバシーを確保できないという悩みが起こるかもしれません。
安心して気持ちよく暮らすためにも、フェンスを設置する等の目隠しをつくる工夫をしましょう。
平屋は防犯性を高めることで、より住みやすい住宅になります。
1階部分では、防犯面で外部から侵入されるリスクが上がります。
とくに、窓からの空き巣被害が多いといわれているのが現状です。
防犯の機能のある窓を設置したり、窓に格子を設置したりとしっかりとした対策をとりましょう。
ワンフロアである平屋の利点は、バリアフリーにできることです。
2階がないので、階段を使った昇り降りもなく、高齢者や子供も安心して暮らせます。
将来介護が必要になることを想定して、間口の広い玄関や出入り口、幅の広い廊下やトイレ、浴室など、高齢になっても使える仕様にリフォームしやすく設計しておくのもおすすめです。
洗濯、料理、掃除、買い物、片付けと毎日やらなければならない家事はたくさんあります。
仕事をしていたり、子育てをしていたりと忙しい日々の中で、家事動線がスムーズであるだけで、時間短縮になり住みやすい家になるのです。
料理をスムーズにしたいのであれば、調理から配膳までスムーズに動けるキッチンに。
洗濯を楽にしたいのであれば、ランドリールームやウォークインクローゼットを設置すると移動が簡単になります。
家事の中で、何を楽にしたいのかを考えて間取りを決めましょう。
家事室とは、1つの部屋で家事をまとめて行う場所です。平屋に家事室を設けるのもおすすめ。
主に洗濯に関する場として考えられてきました。
最近は、家事室の考え方が幅広いです。
棚を置いて日用品のクローゼットにしたり、リモートワークをしたり書斎や趣味の部屋としても自分好みにアレンジできます。
家事をしながらも、別の用途にも使える家事室は忙しい人にとって、便利でリラックスできる空間になるはずです。
住みやすい平屋を設計するために、抑えておきたい間取りづくりの注意点があります。
長く快適に暮らせる家を建てるためにも、しっかりチェックしておきましょう。
平屋は、周りに高い建物あるなど土地によっては採光が取りにくく、風も入りにくいのがデメリットです。
日当たりや風通しは、直接現地に行ってみないとチェックできません。
実際に現地を見た上で施工会社とよく相談して、採光や風通しを意識した家の形状や窓の配置を決めましょう。
吹き抜けや中庭を間取りに取り入れることでも、日当たりや風通しがよくなります。
平屋を建築する際は、現在のタイミングだけではなくこれから先の未来に訪れる次のライフスタイルを考えてみましょう。
子供が生まれたり、家族が独り立ちしたりと家族構成の変化により、間取りを変える必要があるかもしれません。
今は若くても、年齢を重ねた老後にはバリアフリーが必要になる可能性も。
今後の暮らし方を考えることで、長く安心して過ごせる家になるのです。
平屋を建てる時は、平屋の実績のあるハウスメーカーや工務店を探して依頼することが重要です。
建築の経験から、要望に合わせたさまざまなアドバイスを具体的に聞けて、サポートしてくれます。
新築住宅を建てる土地のエリアにある工務店を探すのもよいでしょう。
その地域に合った建材や施工方法を熟知しているのが理由です。
施工会社を探す際は、土地を買う予定のエリアに限定してインターネット検索してみるのがよいでしょう。
無料の資料を請求することや、モデルハウスやイベントを予約して参加してみるのもおすすめです。
平屋を建築する際には、余計に廊下などの無駄なスペースをつくらないことも大切です。
廊下は必要最低限に設ければ、その分部屋のスペースを広く確保できます。
敷地面積は限られているので、極力無駄なスペースをつくらない間取りにしましょう。
戸建ての住宅を建てる際には、建ペイ率(その土地に建てられる住宅の面積)を確認する必要があります。
平屋は2階建てと比較して、広い面積が必要です。
設計の段階で、希望の居住空間を確保できるのかしっかりと確認しましょう。
建ぺい率は、地域によって定められているので、不明な点は施工会社や市町村に問合せしてみましょう。
平屋のデメリットとして建築費用が高いことがあげられます。
平屋は、延床面積を広く確保する必要があり、建築費用がかかるといわれる基礎部分や屋根の部分の面積が大きいので金額が高くなるのです。
住宅の価格を予算内におさまるようにするために、コストを抑えるコツがあります。
平屋の延べ床面積を世帯人数に合わせた広さにすることで、建築費用や工事費用を大きく抑えられます。
無駄のない空間をつくることは、おしゃれで生活しやすい平屋になるはずです。
国土交通省のホームページには、誘導居住面積水準が掲載されています。
誘導居住面積水準は、世帯人数に応じて豊かな生活の実現を前提として、さまざまなライフスタイルに対応するために必要と考えられる住宅の面積のことです。
水準は2つの種類に分けられるので、単身や夫婦など世帯人数に合わせた面積を確認しましょう。
「一般形誘導居住面積水準」…都市の郊外及び都市以外の一般地域における一戸建て住宅
「都市型居住型誘導移住面積水準」…都市の中心及びその周辺における共同住宅居住を想定した住宅
<誘導居住面積水準>
水準 | 単身(1人) | 2人以上の世帯 |
一般形誘導居住面積水準 | 55㎡ | 25㎡×世帯人数+25㎡ |
都市型居住型誘導移住面積水準 | 40㎡ | 20㎡×世帯人数+15㎡ |
国土交通省誘導居住面積水準(住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)より抜粋)
平屋を建てる際に、条件に合っていれば補助金を申請でき、住宅の価格を抑えられます。
補助金は国からのものと地方自治体のものがあります。
国からの補助金…省エネ対応やバリアフリー性のある住宅で利用できる場合がある
地方自治体の補助金…都道府県や市町村で独自に実施している
補助金を活用したい場合は、プランニングの段階で施工会社に相談しましょう。
補助金は、上限額に達すると受付を終了する場合があります。
対象要件や申請期限もあるため、早めに準備するとよいです。
住宅ローンについても、要件によって優遇されるので、気軽に詳細を施工会社に問い合わせてみましょう。
平屋の建築費用を抑えるには、家族で譲れない優先順位を決め、コストを抑えられる部分は削るようにするとよいでしょう。
たとえば、システムキッチンを選ぶ際は、必要な機能が揃っていれば無理にグレードを上げる必要はありません。
家族の希望をまずは話し合い、優先ポイントを明確にして予算の範囲内にコストを抑えるようにしましょう。
平屋は、使う素材を見直すことで価格を抑えられます。
たとえば、外壁材や壁紙、フローリングなどの素材は、家の多くの面積に使うのでコストダウンにつなげやすいです。
建材は、小さい面積の価格だけを見ると、高く感じないかもしれませんが、家全体の広い面積に換算すると高価になります。
回遊性のある暮らしやすい平屋の施工事例です。
南面を一面ウッドデッキにしたことで明るく開放的な住まいになりました。
庭をつくることで、隣家との距離をしっかりとり、採光を確保しています。
キッチンを壁付にすることで部屋の広さを確保しています。
料理に集中でき、配膳の距離が短くスムーズになりました。
部屋を広く使える壁付のキッチンは、コンパクトな住まいを希望されるお客様に選ばれることが多いです。
吊戸棚で収納を確保するだけではなく、キッチンの隣にも大きな収納を設けまとめ買いも安心になりました。
キッチンからつながる和室のドアは、引き込みタイプの引き戸を採用。
戸を開ければひと続きの大空間になり、閉じればスムーズに部屋を分けることが可能です。
ウッドデッキにつながる明るい居間も魅力的です。
南に面した窓からは明るい光が差し込み、風通しも良く、心地のよい素敵な新築住宅が完成しました。
【施工実例】回遊性のある暮らしやすい平屋【詳しい施工事例はこちら>>
この記事では、住みやすい平屋の間取りのポイントや注意点をご紹介しました。
どのような間取りが家族にとって最適であるかは、世帯によって異なります。
生活のスタイルや家族構成によって、世帯に合わせた広さの間取りをよく考えてプランを立てましょう。
不明な点は、施工会社に相談することが大切です。実績のある会社であれば、成功例や経験から家族に合った間取りを提案できます。理想の平屋にこだわり、プロの意見も聞きながら、最適な間取りを考えていきましょう。
ぜひ参考に後悔のない住みやすい平屋のマイホームをご検討いただけるとうれしいです。
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